受託ECの販売手数料モデルを仕入販売に組み替え、通信販売酒類小売業免許の取得を実現した事例

概要
お取り寄せ情報サイトと自社オンラインストアを運営するJ社様が、通信販売酒類小売業免許を取得した事例です。当事務所(アクセス行政書士法人)は、手数料型で考えていた販売の仕組みを仕入販売に組み替えるよう助言しました。その結果、申請から43日で免許が交付されました。
1. 企業・依頼背景
J社様は、20年以上にわたってお取り寄せ情報サイトを運営し、近年は自社オンラインストアも立ち上げたEC事業者です。肉やスイーツ、キッチン用品などを販売しています。
このたびJ社様は、ある自治体が認定した商品を販売するECサイトの運営を新たに受託しました。認定商品には地元でつくられたお酒も含まれています。インターネットで全国の消費者にお酒を販売するには、通信販売酒類小売業免許(2都道府県以上の消費者に、通信販売でお酒を売るための免許)が必要です。サイトの開設は10月末の予定でした。将来は自社ストアでも、通年で需要のあるお酒を扱いたいという思いもあり、7月末に当事務所へご相談をいただきました。
2. 抱えていた課題・問題点
J社様が予定していた販売方法は、注文をJ社様が受け、商品は各生産者から消費者へ直接送る「ドロップシッピング」です。当初は、生産者から受け取る販売手数料だけを売上に計上するつもりでした。しかし、お酒の売買を仲介して手数料を得る形は「酒類販売媒介業」にあたります。酒類販売媒介業は、通信販売酒類小売業免許では行えません。
また、通信販売で国産のお酒を扱うには、製造元から「課税移出数量証明書」を取り寄せる必要があります。課税移出数量証明書は、その製造者の品目ごとの年間出荷量が3,000キロリットル未満であることを示す書類です。お酒を出品する予定の生産者は5社あり、J社様は5社すべてから集める必要があるのか分からずにいました。さらに、事務所が定期借家で翌年3月に退去することが決まっており、審査中や取得後の扱いも気がかりでした。
3. 当事務所(アクセス行政書士法人)の取り組み
当事務所はまず、販売の仕組みを手数料型から仕入販売型に組み替えるよう提案しました。J社様が生産者から商品を仕入れ、売上として計上すれば、発送は生産者からの直送のままでも小売として成り立ちます。あわせて、生産者との契約書に「酒類はJ社様が売主である」と明記するよう案内しました。J社様が作成した取引基本契約書の案も、売主の記載と責任の所在をJ社様と一緒に確認しました。
課税移出数量証明書については、5社すべての分は必要なく、品目ごとに1社分そろえればよいとお伝えしました。そのうえで当事務所は、出品を予定している商品からメーカーを選ぶのではなく、「どの品目を製造しているか」に着目してメーカーを選ぶよう助言しました。複数の品目を製造しているメーカーから証明書をもらえば、通販できる品目をまとめて増やせるためです。
J社様は、この視点で取引先のメーカーを選び直しました。当事務所も、メーカーのホームページから果実酒の製造免許を持っている可能性に気づき、J社様に確認していただいたうえで品目に加えています。
申請は、必要書類がすべてそろうのを待たずに先行して提出しました。審査中には事務所移転の予定を税務署へ伝え、そのまま審査を続けてもらえることを確認しています。
4. 成功結果と得られたメリット
9月中旬の申請から43日後、10月末に通信販売酒類小売業免許が交付されました。当初お伝えしていた見込み(約2か月)よりも早い交付で、予定していた10月末のサイト開設に間に合いました。
品目に着目してメーカーを選んだことで、通販できる国産酒は当初想定していた3品目から8品目に広がりました。ビール、果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、発泡酒、その他の醸造酒、スピリッツ、リキュールです。受託したECサイトでお酒を販売できるようになっただけでなく、自社オンラインストアでお酒のラインナップを広げる土台もできました。翌年の事務所移転に向けては、移転許可申請の手続きを当事務所からご案内しています。
5. お客様の声
「分からないことばかりの状態からのスタートでしたが、アクセス行政書士法人さんに論点を大変分かりやすくまとめていただき、とても助かりました。こちらの準備に時間がかかってしまうこともありましたが、残っている作業をこまめにリマインドしていただき、抜け漏れなく申請まで進めることができました。大浦先生をはじめ、皆さまには色々とお力添えをいただきまして、誠にありがとうございました。」