解決事例

  • スピード申請
  • 債務超過
  • 条件緩和
  • 移転許可

債務超過で新規申請を断念。移転許可+条件緩和という迂回路で、小売免許の取得を実現した事例

概要


インバウンド向けの対面販売と、新たな小売チャネルの開拓。2つの目標を持って当事務所にご相談くださったI社様が、既存の輸出酒類卸売業免許を活用しながら、販売場の移転許可と一般酒類小売業免許の条件緩和を順次完了させた成功事例です。

1. 企業・依頼背景

I社様は、医療機器関連事業を主軸とする法人で、酒類販売はサイドビジネスとして展開されていました。以前から輸出酒類卸売業免許を保有しており、海外の取引先への卸売実績もおありでした。


事業の拡大に伴い、本社を京都府から大阪市内の再開発ビルへ移転。新拠点を活かして、来日する海外のお取引先への対面販売(インバウンド向け小売)と、国内向けの小売チャネルの開拓という2つの新しい取り組みをスタートさせたいというご要望をお持ちでした。

これを実現するために必要な手続きについて、当事務所へご相談をいただきました。

2. 抱えていた課題・問題点

ご相談を進める中で、いくつかの障壁が明らかになりました。
まず、すでに完了していた本社移転に合わせて、酒類販売業免許の販売場を移転する手続き(移転許可申請)がまだ行われておらず、免許上の所在地が旧住所のままになっていました。新拠点で酒類の販売事業を行うには、まずこの移転許可を取得する必要がありました。


さらに、対面小売を実現するためには、保有する輸出酒類卸売業免許に加え、一般酒類小売業免許の取得が必要でした。当初は既存の免許を一度取り消して新規申請する方法も検討しましたが、ヒアリングの中でI社様が債務超過の状態にあることが判明。新規申請では財務要件を満たすことができず、この道は閉ざされました。


加えて、移転先が大規模再開発ビル内のレンタルオフィスであったことから、不動産関係の書類整備にも難航が予想されました。酒類販売業免許の申請には建物所有者から申請者までの使用権限を証明する書類の提出が必要とされますが、施設の管理・運営体制が複雑で、必要書類の開示に施設側が難色を示す可能性がありました。

新規申請という道は財務面で塞がれ、移転という道は不動産書類の壁が立ちはだかる——I社様にとって、出口の見えない状況でした。

3. 当事務所(行政書士)の取り組み


まず方針の整理から着手しました。新規申請が難しい状況を踏まえ、既存の免許を移転させた上で条件緩和の手続きを追加するという、2段階の方法に切り替えました。この方法は手続きが順次となるぶん期間がかかるデメリットがありますが、財務状況に関わらず進められるという点で、I社様の状況に合った現実的な選択肢でした。


不動産関係の書類については、当事務所が施設側の関係者に対して、免許申請上の必要性と法的根拠を直接説明し、書類取得に向けた調整を主導しました。提出が難しいとされる書類について、代替となりうる形式の提案も含めて折衝を重ねた結果、申請に必要な書類を揃えることができ、移転許可申請の提出へとつなげることができました。


その後、移転許可の取得完了を受け、速やかに一般酒類小売業免許の条件緩和申請を進めました。条件緩和とは、既存の免許に付いている販売方法や品目の制限を変更・撤廃する手続きです。審査に必要な書類の準備もスムーズに進み、補正なく審査が完了しました。

4. 成功結果と得られたメリット


移転許可申請から一般酒類小売業免許の条件緩和完了まで、約3か月で2つの手続きをすべて終えることができました。移転と条件緩和を順次進めるという方法をとりながらも、新規取得とほぼ変わらないスピードで手続きを完了させることができました。


「新規申請は財務上無理」「不動産書類の取得も難しいかもしれない」 2つの壁に直面し、実現を諦めかけていたI社様にとって、すべての希望が形になったこの結果は、単なる免許取得以上の意味を持つものでした。

新拠点において来日する海外取引先への対面販売をはじめ、幅広いお酒の小売・卸売を正式に開始できる体制が整い、既存の輸出酒類卸売業免許を手放すことなく国内小売という新たな販路も加えることができました。

5. お客様の声


「正直、途中で諦めかけていました。新規で免許を取り直そうとしたら決算の要件を満たせないと言われ、移転の手続きを進めようとしたら不動産側の書類が取れるかどうかも分からない。

どこに相談しても難しいと言われ、もうこのままで酒販は無理かと思っていたんです。でも、アクセス行政書士法人さんに相談したら、うちの状況に合った進め方をすぐに整理してくださって、難しかった書類の調整も含めて全部動いてくださいました。

移転も、小売免許の追加も、思い描いていた通りの結果になりました。諦めずに相談して、本当に良かったです。」

執筆者情報

大浦智幸 Tomoyuki Oura

アクセス行政書士法人 代表行政書士。2012年の開業以来、酒類販売・酒類製造に特化した支援を行い、延べ約1,800件の免許申請に係る。免許の取得率は100%。 前例の少ない複雑案件(通称“ゾンビ免許”承継)を手がけた経験から、「ゾンビ行政書士」の異名も持つ。