解決事例

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  • 自己商標卸免許

ミネラルウォーター販売会社がオリジナル日本酒を委託醸造し、新事業に進出した事例

概要

ミネラルウォーターの通信販売を主力事業とするH社様が、自社の水を活かして委託醸造したオリジナル日本酒の販売事業に新規参入した事例です。商品開発は順調に進んでいたものの、販売に必要な酒類販売免許の取得という高いハードルを乗り越え、新事業のスタートを実現しました。

1. 企業・依頼背景

H社様は、ミネラルウォーターの通信販売を主力事業として全国展開する企業です。自社のミネラルウォーターがお酒の味わいを引き立てるという特性に着目し、そのミネラルウォーターを仕込み水に用いたオリジナルの日本酒を開発・商品化するプロジェクトを立ち上げました。製造は国内の酒造メーカーへ委託し、完成した商品は自社ブランドとして酒販店への卸売・小売、さらには通信販売でも展開したいというビジョンをお持ちでした。いよいよ商品の完成が近づいてきた段階で、販売に必要な酒類販売免許の取得について当事務所へご相談をいただきました。

2. 抱えていた課題・問題点

商品開発は酒蔵との連携のもと順調に進んでいましたが、いざ販売の準備を進める段階になって、酒類販売免許の取得には審査だけで2か月以上を要することや、申請書類の準備が想像以上に複雑であることが判明しました。

特に、自社が企画・開発した商標の酒類を酒販店へ卸売するために必要な「自己商標酒類卸売業免許」は、申請難易度が高い免許です。自社がその銘柄・商標を実際に企画・立案したことを客観的に示す書類が求められますが、何をどこまで準備すればよいかの判断が難しく、書類の内容次第で審査の進行にも影響が生じかねない状況でした。

また、H社様の東京拠点は複数のフロアを有する自社ビルでしたが、一部フロアは他社へ賃貸しており、酒類販売の販売場としてどの範囲を申請すべきかという点も整理が必要でした。

3. 当事務所(行政書士)の取り組み

まず、販売場の範囲について整理しました。酒類販売業免許における「販売場」は、酒類の販売業務と保管を行うスペースであれば成立します。一方で、自社が使用するすべてのスペースを申請することも可能です。H社様のケースでは、1階の保管倉庫と10階の事務所部分、すなわち酒類の事業に実際に使用する範囲で申請する方針をご提案し、実態に即した形で申請の準備を進めました。

自己商標酒類卸売業免許の申請書類については、多数の申請実績から蓄積したノウハウをもとに、審査で求められるポイントを踏まえた書類の準備をご支援しました。自社がその商品を企画・開発したことを示す書類や製造委託関連書類など、必要なものに絞り込み、その内容についても具体的にアドバイスを行いました。税務署からの補正や追加照会もなく、審査はスムーズに進みました。

4. 成功結果と得られたメリット

ご相談から約3か月で、一般酒類小売業免許・自己商標酒類卸売業免許・通信販売酒類小売業免許の3種類を同時に取得することができました。

免許取得により、H社様は長年培ってきた自社の強みを活かした新商品を、酒販店への卸売から個人消費者向けの小売・通信販売まで幅広い販路で展開できる体制を整えることができました。既存の事業基盤を活かしながら新たな商品カテゴリーへの参入を果たしたこの取り組みは、H社様にとって事業拡大の大きな一歩となりました。

5. お客様の声

「商品の開発自体は酒蔵さんと一緒に順調に進めていたのですが、いざ販売の準備を始めようとしたら、免許の取得に2か月以上かかることが分かって、正直かなり焦りました。税務署に相談してみたものの、何をどう準備すればよいのかがよく分からず、困っていたところにご相談させていただきました。依頼してからはスムーズに手続きを進めていただき、無事に免許を取得できたときはほっとしました。おかげさまで、予定通り新商品の販売をスタートさせることができています。」

執筆者情報

大浦智幸 Tomoyuki Oura

アクセス行政書士法人 代表行政書士。2012年の開業以来、酒類販売・酒類製造に特化した支援を行い、延べ約1,800件の免許申請に係る。免許の取得率は100%。 前例の少ない複雑案件(通称“ゾンビ免許”承継)を手がけた経験から、「ゾンビ行政書士」の異名も持つ。