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お酒を輸入して販売するには?必要な手続きと流れ

海外のお酒を輸入して国内で販売する場合、基本の流れは一般食品の輸入と大きくは変わりません。ただし、酒類には追加で必要になる手続きがいくつかあります。

代表的なものとしては、販売方法に応じた酒類販売業免許の取得、ラベル表示方法の事前確認(表示方法届の提出)、酒税の納付、そして保税地域からの引取り前までにラベルを貼付することなどが挙げられます。

この記事では、こうした酒類ならではの追加ポイントを押さえつつ、輸入開始前の準備から、保税地域から引き取り、販売開始までの流れを、順を追ってシンプルに解説します。

酒類販売業免許の取得(税務署)

酒類販売業免許がないと、お酒を販売目的で輸入することができません。
そのため、輸入に着手する前に、販売先・販売方法に合わせた酒類販売業免許を取得する必要があります。

免許取得には通常3か月程度かかるため、輸入スケジュールが決まったら最初に取り掛かるべき工程です。

販売形態によって必要な免許が異なります。

販売先免許の種類主な販売方法・特徴
一般消費者
飲食店
一般酒類小売業免許・店舗で対面販売
・通信販売によらない小売
・飲食店への業務卸売
全国の一般消費者通信販売酒類小売業免許・インターネット通販
・カタログ販売
酒類販売業者輸入酒類卸売業免許・酒販免許を持つ酒屋への卸売

どの販売形態を想定しているかで申請内容が変わるため、開始前に整理しておきましょう。

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食品等輸入届出(検疫所)

販売目的で酒類を輸入する場合、検疫所への「食品等輸入届出書」の提出が必要です。
原材料や成分などの情報を添付し、安全性に問題ないか審査を受けます。

問題がなければ「届出済証(受理番号)」が発行されます。
この受理番号は通関申告にも必要なため、通関より前に確実に済ませておくことが重要です。

届出がされていない食品は輸入できないため、注意しましょう。

通関書類の準備(税関)

通関申告に必要な書類を揃える工程です。代表的な書類は以下のとおりです。

  • インボイス(請求書)
  • パッキングリスト
  • B/L(船便)またはAWB(航空便)
  • 原産地証明書
  • 食品等輸入届の受理番号

これらの情報を基に、税関は品目分類(HSコード)や課税価格を判断します。

実務では、輸入者が自ら税関へ申告するケースもありますが、フォワーダー(通関業者)に委任するのが一般的です。

輸入者はフォワーダーへ必要書類を提供し、同時にラベルの「表示方法届」の提出準備も進めておきます。

書類に不備があると審査が止まるため、事前準備の精度が輸入リードタイムに大きく影響します。

ラベルの「表示方法届」提出(税関)

酒類を保税地域から引き取る前までに、税関へ「表示方法届出書」を提出し、ラベル表示内容について確認を受けます。
提出時には酒類販売業免許の写しも添付します。

酒類は、書体・文字サイズ・品目表記・20歳未満飲酒防止表示など細かい基準があるため、この確認が取れていないと引取りができません。

実務では、通関に入る前のタイミングで早めに提出しておくことが一般的です。

東京税関リンク:酒類の表示方法の届出について(酒類販売業者用) : 東京税関 Tokyo Customs

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通関許可→税金納付

通関手続きとは、輸入品を国内に入れるため、保税地域を管轄する税関に「輸入申告」を行い、税関の審査を受ける手続きです。

税関は提出された書類を確認し、必要に応じて貨物検査を行ったうえで、関税・消費税・酒税の納付を確認し、問題がなければ「輸入許可」を出します。

許可が出てはじめて、貨物を保税地域から引取り、国内販売に回すことができます。

酒税は種類によって税率が異なるため、この段階で正式な税額が確定します。
実務ではフォワーダーが立替納付し、後日請求されるケースが一般的です。

保税地域から引取り→国内販売開始

税関の輸入許可が出て、関税・消費税・酒税の納付が完了すると、貨物を保税地域から引取ることができます。なお、ラベル貼付は引取り前に完了していることが必須であり、表示内容が日本の酒類表示基準に適合していなければ、国内流通に回すことはできません。

引取り後は、自社倉庫や委託倉庫で保管し、受注処理や出荷体制を整えることで国内販売を開始できます。また、販売場以外の場所に酒類を保管する場合には「蔵置所設置届」が必要となる点にも注意が必要です。

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💡ワンポイント

ラベル貼付は必ずしも日本国内(保税地域)で行う必要はなく、日本への出荷前に海外(現地)で貼付した状態で輸入することも可能です。

まとめ

  • 販売方法に応じた酒類販売業免許は最初に取得しておく
  • 食品等輸入届は通関前に検疫所へ提出し、受理番号を取得
  • 通関書類を準備して税関へ輸入申告
  • 表示方法届は引取り前までに確認が必要
  • 関税・消費税・酒税を納付し、ラベルを貼付すると保税地域から引取り可能

これらの手続きを適切に理解して準備すれば、スムーズにお酒の輸入販売を始められます。

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執筆者情報

大浦智幸 Tomoyuki Oura

アクセス行政書士法人 代表行政書士。2012年の開業以来、酒類販売・酒類製造に特化した支援を行い、延べ約1,800件の免許申請に係る。免許の取得率は100%。 前例の少ない複雑案件(通称“ゾンビ免許”承継)を手がけた経験から、「ゾンビ行政書士」の異名も持つ。