狭あいな飲食店内で酒類販売業免許を取得した事例

概要
テイクアウト強化とイタリアワインの小売を同時に実現したい。そんなご要望を抱えていた小規模イタリアンレストランB様が、客席中心の限られた店内でも新たに酒類小売業免許を取得し、売上を多角化させた成功事例です。
1. 企業・依頼背景
B様は個人事業でイタリアンレストランを経営しており、席数が少ないことから店内売上のみでは収益拡大に限界を感じていました。そこでテイクアウトの動線を整備し、さらにイタリアから輸入したワインを店頭売販や他店舗への卸し売りで取り扱いたいと考えていました。しかし、飲食店営業許可だけではテイクアウト用の酒類売販ができないため、当事務所へ酒類販売業免許の取得についてご相談頂きました。
2. 抱えていた課題・問題点
最大の問題は、店内の多くを客席スペースが占めているため、税務署が求める「飲食用のお酒と小売用のお酒をしっかり区切した保管・売販スペース」を確保する余地がほとんどなかったことです。図面上でも十分なスペースが見当たらず、このままでは免許取得が困難になる可能性がありました。また、限られた店内スペースの改修コストや工期もできるだけ抑えたいというご要望があったため、慎重なプランニングが求められました。
3. 当事務所(行政書士)の取り組み
当事務所では、まずB様からレイアウト図面をお預かりし、事前に問題点を整理。その上で、実際の動線や完全な店内観察をするため現地を訪問しました。そこで、調理場であるキッチンが道路側に小さな窓を有していることを確認。これを「キッチン窓をテイクアウト専用の販売窓口とし、飲食店部分とは明確に区切する」改修案として提案しました。 さらに、税務署との折衝では、現地写真を用いた説明資料を準備し、改修後のレイアウトが飲食スペースと小売スペースをしっかり区切できることを詳細に示す図面を用意しました。結果として、最小限の改修で販売窓口を確立し、酒類小売業免許の取得を認めてもらうことに成功しました。
4. 成功結果と得られたメリット
改修後、B様は店内の入り口とは別にテイクアウト専用の窓口を設置できたことで、イートインとテイクアウトの動線をしっかり分けられるようになりました。オペレーション上の混雑が解消され、お客様も気軽にテイクアウトを利用しやすくなっています。さらに、イタリアから輸入したワインを売販・卸し売りできるようになったことで、販路の多角化が実現。希望していた新しいビジネスモデルを、狭あいスペースでも形にすることができました。
5. お客様の声
「正直、店内に売販用のスペースを作るのは無理だと思っていましたが、現地で一緒に最適な改修案を考えていただき、税務署とのやり取りもすべてお任せできたので、とても心強かったです。おかげでテイクアウト売販と輸入ワインの卸し売りを同時にスタートでき、売上アップにもつながっています。」