解決事例

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昭和時代の小売免許(通称:ゾンビ免許)承継の成功事例

概要

通信販売業界に新たに参入を目指すA社が、昭和時代に交付された旧酒類小売業免許(通称:ゾンビ免許)を事業承継した稀有な成功事例です。通常の免許では扱える酒類に制限があるため、幅広い商品ラインアップを目指すA社にとって旧免許の取得は必須でした。複雑な手続きを伴うこの免許の承継において、法的・実務的な課題を乗り越えたプロセスと結果をご紹介します。

1. 企業・依頼背景

A社は通信販売を主要事業として創業し、幅広い種類の酒類を扱おうとしていました。しかし、現行の通信販売酒類小売業免許では取扱品目に制限があり、思い描くビジネスモデルを実現するためには旧酒類小売業免許が欠かせない状況でした。そんな中、A社の事業ビジョンに共感し、免許を譲渡してくれる酒販店が見つかり、事業承継に向けてのプロジェクトがスタートしました。

2. 抱えていた課題・問題点

旧免許の事業承継には、通常の買収や法人譲渡とは異なる複雑な手続きが必要でした。具体的には、免許を持つ法人を買収し、その後吸収合併を行うことで、譲渡元法人を消滅させつつA社が免許を承継する手法が求められました。さらに、譲渡元法人の通信販売実績を一定期間維持する義務や、税務署への正当な説明など、多方面で前例の少ない交渉・調整が必要になりました。加えて、会計士、弁護士、税理士、行政書士といった複数の専門家がそれぞれ異なる領域を担当するため、全体をマネジメントする能力も大きな課題でした。

3. 当事務所(行政書士)の取り組み

当事務所はA社からの相談を受けると、まず全体のプロジェクト計画を策定し、進行管理を一括して担当しました。免許承継のスキームとしては、酒販店を新会社に移行させた後、旧会社の免許をA社に移転する形を採用し、そこから逆算してスケジュールを作成。会計士・税理士による法人譲渡手続き、弁護士による合併手続きの法的サポート、そして税務署への説明資料準備などを密接に連携しながら進めました。特に税務署との折衝では、譲渡元法人が通信販売の実績をどのように引き継ぐのかを丁寧に説明し、免許条件を満たす形での承継を実現しました。

4. 成功結果と得られたメリット

結果として、A社は昭和時代の旧酒類小売業免許を無事に承継することに成功しました。これにより、扱える酒類の幅が大きく広がり、全国規模の通信販売事業をスムーズに展開できるようになっただけでなく、今後の海外市場への進出に向けても重要な足がかりを得ることができました。一方、譲渡元の酒販店も新会社を設立して営業を継続し、お互いがメリットを享受できるウィンウィンの形で事業譲渡を完了させることができました。

5. お客様の声

「最初は免許承継の手続きがとても難しそうで、不安が大きかったのですが、プロジェクト全体の流れを明確に示していただき、必要な専門家との連携もスムーズに進めていただいたおかげで、思っていたより早く免許取得が実現しました。これで取り扱い商品を一気に拡充できるので、新たなビジネス展開に大きな自信がつきました。」